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ログ解析始めます

XR100モタードのテスト車両についているのはラップコム(Lite100−All)。ご存知の方も多いと思いますが、回転数、速度、走行距離、ラップタイム、水温などのデータを計測、保存できるロガーです。

走行後にこのログを解析することで、どのような走りをしたのか、マシンのセッティングは合っているのか、速い人とはどこが違うのかということを客観的に知ることが出来ます。

使いこなせればかなり強力なツールになると思うのですが、実際のログデータは、1ラップの中でのエンジン回転数や車速の上下がグラフになって出てくるだけなので、そこで何が起こっているのかを知るためには、どのような操作をしたときにエンジンの回転数がどのように変化するのかがわかっている必要があります。

しかし、残念ながらロガーのマニュアルにデータの取り方は書いてあっても、解析の手順までは書いてありません。そこで、走行ログの一例を挙げて、解析の手順(あくまでも自分のやり方ですが)をホームページにアップしていこうかと考えています。ロガーはあるけど、解析が...、というライダーの参考になればと思います。

あくまでも、我流の解析ですので、間違っているところもあるかもしれません。そのようなところがありましたら指摘していただけると助かります。

マシンについて

走行に使用したマシンを紹介します。一言で言うとミニモトST仕様。

ベース車両 XR100モタード 2008年式(最終型) 黒白カラー

変更した主なパーツ類

  マフラー : TTSオールチタン

  バックステップ : ダイレクト(別軸ジュラルミン仕様)

  タイヤ : BS S01/S02

  ハイスロキット : タケガワ

  エンジン関係はノーマル状態です。安全灯火類はすべて取り外してあります。マフラー、バックステップはダイレクト甲斐田店長に貸していただきました。タイヤも甲斐田店長の中古です。いつもどーもありがとうございます(笑)。

セッティング

  ファイナル : F16-R33

  キャブ : MJ85、SJ42、AS2回転戻し、JN3段目

  キャブのリストリクタとエアクリーナボックス上部入口にあるゴムは取り外してあります。それ以外はノーマルです。

サーキットについて

走行したサーキットについて。

栃木県、ツインリンクもてぎにある北ショートコースです。反時計回りの全長982mのサーキットです。コース図はこちらから。

http://www.twinring.jp/course_m/map/pdf/north_short_course.pdf

コースの大まかな解説です。

メインストレート、約140mあります。計測用のマグネットはメインストレートエンド、1コーナー進入の信号機の横あたりにあります。

1コーナー、2コーナーは高速コーナーになります。2コーナーからまた約140mのバックストレートにつながるので、スピードを落とさずにクリアすることが重要になります。

3コーナー、4コーナー。タイムアップのひとつのポイントになるコーナーではないかと思います。3コーナーは高速からの飛び込みで怖いので進入スピードを落としすぎてしまいがちです。4コーナーはかなり回り込んでいます。4コーナーをうまく加速しながら立ち上がれるかどうかで、5コーナーのヘアピンまでのスピードが大きく変わってきます。ライン取りも重要になってきます。

5コーナー(ヘアピン)。ハードブレーキからくるっと回ります。4コーナーをうまく立ち上がれると、5コーナーのブレーキングがパッシングポイントにもなってきます。5コーナーの立ち上がりもすぐにS字につながるため気が抜けません。

S字。ここもタイムアップのポイントです。左右左と切り返しが続きます。1つ目、2つ目、3つ目と微妙に曲がりがきつくなっているので、うまく走らないと3つ目ではまります。S字の後にストレートがあるので、3つ目をうまく立ち上がることが重要です。

裏のヘアピン。ここも5コーナーと同じくフルブレーキからくるっと回ります。S字の立ち上がりの良し悪しでパッシングポイントになります。レースでも最後の勝負どころなのですが、ピットにいると見えないのが残念です。

最終コーナー。文字通り、ストレートにつながる最終コーナーです。ストレートのスピードにつなげるために、ロスの無いように走りたいところです。

1ラップの回転数ログ

1ラップの回転数のログです。ちなみに、この時のラップタイムは49秒59。

縦軸が回転数(rpm)、横軸が走行距離(m)です。センサー用の磁石はメインストレートエンド、1コーナーの進入付近にあります。磁石のポイントが0m地点となります。ここを基点とした距離とコーナーのおよその対応は次のようになります。

0-200m : 1,2コーナー、バックストレート。メインストレートからバックストレートエンドまでずっと4速です。

200-300m : 3,4コーナー。3コーナーと4コーナーの間で3速に落としています。

300-450m : 4コーナー立ち上がりからヘアピン進入。4コーナー立ち上りで4速にシフトアップ。

450-500m : 5コーナー(ヘアピン)。5コーナー手前で3速に落とし、立ち上がりで4速にシフトアップ。

500-650m : S字コーナー。左右左の切返しです。4速です。

650-700m : S字の立ち上がりからヘアピン進入。

700-800m : ヘアピン進入からヘアピン立ち上がり。進入時に3速に落としています。

800-900m : 最終コーナー。立ち上がりで4速にシフトアップしています。

900-1004m : メインストレートから1コーナー進入。

以降、個別のコーナーを詳細に見ていきます。

1,2コーナー

回転数のログを見るときに、まず知っておく必要のある基本的な項目がいくつかあります。当たり前といえば全く当たり前なのですが、確認のため挙げておきます。

1) 加速している時は回転が徐々に上がっていきます。

2) アクセルを戻したり、ブレーキをかけると回転は徐々に下がります。

3) 同じスピードで走っている時、シフトアップすると回転は階段状に下がります。

4) 同じスピードで走っている時、シフトダウンすると回転は階段状に上がります。

それから、ログを見る際に気をつけないといけないバイク独特の回転数の動きがあります。それはバイクのタイヤの構造に起因するものです。バイクはバンクさせて曲がるという特性上、タイヤの中心の周長(一周の長さ)がもっとも長く、サイドの周長が短くなります。このため、同じスピードでもマシンが立っているときとバンクしている時では、バンクしている時の方が回転数が高くなります。全開で入っていくようなコーナーやS字の切り返しではこの現象が顕著み見られるため、ログからどこを走っているかを割り出す時の重要な手がかりになります。

これらの約束事を前提に、1,2コーナーの様子を見てみます。

計測用の磁石は1コーナー進入のところにあるので、ログの開始ポイントはそこになります。1コーナーの進入はブレーキはかけず、アクセルを少し戻すだけで倒しこんでいきます。ギアは4速でストレートと同じギアです。1コーナーから2コーナーの間もほぼ10000rpmでストレートと同じ回転数を維持していますが、これはコーナリングでの減速による回転ダウンと、バンクすることによる回転アップがほぼ相殺されていると見ることが出来ます。

2コーナーを通過する手前からアクセルは全開になっていますが、2コーナー立ち上がりで回転数が500回転以上落ちています。これは1コーナー進入時とは逆で、スピード変化はそれほど無いけど、マシンが徐々に立っていくために、タイヤの周長の関係で回転数が落ちていると考えられます。

2コーナーから3コーナーまでのバックストレートはこのコースの最高速が出ます。4速のまま引っ張ります。ログのスピードメーターでは91kmでした。

3,4コーナー

ログ解析をする上で、まず必要なことは、回転数のグラフとそれがどこを走っている時のものかという対応を把握することです。解析のポイントとなるのは、シフトチェンジ、アクセルオフ、ブレーキング、バンキング、切り返しなどマシンの姿勢やエンジンに大きな挙動が出るようなところです。逆に、全開のまま走り抜けるようなコーナーは回転数の変化が小さいので場所の特定がしにくくなります。当然ですが、自分がコース上でどのような操作(アクセル、ブレーキ、ギア、バンキング)をしているかを把握しておくことは大前提となります。

3,4コーナーを見てみます。

まず3コーナー進入、加速状態からアクセルオフしてブレーキを軽くあてながら進入しています。ギアはバックストレートと同じ4速のまま。加速から減速に移るので回転数のグラフが尖った山のようになります。山の頂点がアクセルオフ&ブレーキングの開始ポイントになります。この頂点の位置の違いで他のライダーとのブレーキポイントの比較をすることが出来ます。ブレーキングが遅ければピークが右に、早ければ左にずれることになります。

3コーナーと4コーナーの間で3速にシフトダウンしています。シフトダウンの際はフルバンクからマシンを一瞬立てていますので、その時に回転数が下がり、その後シフトダウンで回転数が上がるので、ログにあるような下に尖った鋭角的な谷が出来ます。

4コーナーはその後の5コーナーまでの直線が長いので立ち上がり重視で走っています。クリップを奥にとって、アクセルを開けて立ち上がれるようにラインをとります。ここをうまく回れるかどうかで簡単に0.5秒くらい変わってきます。4コーナー立ち上がりにある回転が上がっていないポイントは、フルバンクからマシンが立ち上がってきていることによるものです。

5コーナーまでの直線で4速にシフトアップ。シフトアップの回転数は10500rpmです。

5コーナー、S字コーナー

今回、ある1ラップのログを取り上げて解析をしていますが、走りの解析という意味では1ラップの結果だけを見てもあまり意味がありません。ログ解析は、ラップを比較した時に威力を発揮します。それは、うまく走れた周と走れなかった周の比較であったり、他のライダーとの比較であったりいろいろありますが、一番いいのは、自分のマシンに速い人に乗ってもらって、そのログと自分の走りを比較することです。両者のラップを重ねて見ることで、ブレーキポイント、コーナリングスピード、アクセルの開け方等々の違いを客観的に知ることが出来ます。速い人に自分のマシンに乗ってもらえるという恵まれた人は少ないかもしれませんが、マシン差の少ない状態であれば十分比較解析の役に立ちます。重要なことは、腕以外で出てくる差を極力減らすことです。当たり前ですが、チューニングヘッドを使ってパワーが上がれば、ログの比較解析はほとんど意味を成さないからです。そういう意味では、ストックマシン(最低限の改造しかされていないマシン)で走ることは、腕を磨くにはもってこいだと思います。

さて、5コーナー、S字コーナーです。

5コーナー進入フルブレーキで3速に落とします。3速に落とす時にアクセルをあおって落としているので、回転が一瞬上がっています。5コーナーはヘアピンコーナーでコースで一番スピードが落ちるところです。5コーナーの中の一番回転が落ちるところが最低速度のポイントです。ログ上は49kmですが、フルバンク状態での速度なので実際はもっと低い速度で通過しています。

5コーナー立ち上がりからS字の1個目へのアプローチ、立ち上がって左に切り返すときに4速にシフトアップしています。そのまま左へ倒しこみ、2個目、3個目と切り返していきます。アクセルは全開から少し戻したくらいのパーシャルで走っているので後半になるに従ってスピードは上がっています。ここはタイヤの周長の違いによる回転数の上下が分かりやすいところです。バンクしていて、切り返すためにマシンを立てると回転が下がり、反対側にバンクするとまた回転が上がるので、下に尖った谷がつながったようなログになります。切り返しの速い人は、谷の幅が狭くなっていきます。連続する切り返しというのはライン取りも含め、テクニックの差が出るところなので、ログの比較でも違いが大きく出てきます。S字3個目を立ち上がるとその後にまた直線があるので、3個目をワイドオープンで加速しながら立ち上がることが必要になり、そのためには2個目の立ち上がりをはらまないようにする必要があり、そのためには1個目のアプローチはこのあたりから入らないといけないというように、脱出から逆算して入り口が決まってきます。

S字のような複合コーナーは、ライン取りなどもいろいろあって結局どのラインが一番速く走れているのか体感では分かりにくいこともあります。そのような時こそログの出番です、走りを変えたときにS字とその後のストレートを通過するのにかかったタイムを見ます。この例でいうと、5コーナー立ち上がりのシフトアップポイントから、ヘアピン入り口のブレーキングポイントまでの時間を比較します。重要なことは、複合コーナー脱出後のストレートも含めて区間タイムの比較をすることです。3,4コーナーもそうですが、複合コーナーの場合、コーナー単体を高速で通過するためのラインと、コーナー脱出後の加速も含めてトータルで速いラインは微妙に異なることが多いからです。

ヘアピン、最終コーナー

ラップコムのロガーにはスピードセンサーがついています。タイヤの回転数を測って計算しているわけですが、同時に1ラップの距離も算出しています。ログの横軸はそのようにして求められています。マシンが立っているときと寝ている時でタイヤの周長が異なるので、実際の距離とは微妙に違うのですが、相対的な比較には役に立ちます。その結果、私の場合1ラップの走行距離が意外とばらついていたりすることが分かっています。例えば、ある周は1周999mで走っているのに、ある周では1004mも走っていることがありました。仮に1周1000mを50秒で走っているとすると、5m走行距離が伸びると、単純計算で0.25秒もタイムロスをすることになります。0.1秒に躍起になっている中でこのロスは大きいです。例えばインに付けなかったことでラインが乱れることが主な原因だと思いますが、逆に考えると、出来るだけ短距離を走ることもタイムアップにつながるということです。ワイドラインでスピードを乗せて長距離を走るか、一瞬スピードを落としてタイトラインで短距離を走るか、場合によっては後者の方が速いこともあるということです。どちらが速いかを判断するのは例によってログ解析になります。

最後にヘアピン、最終コーナーです。

ヘアピン進入、フルブレーキングして3速にシフトダウン。あおってシフトダウンしているので、一瞬回転が上がっています。ヘアピンもその後の直線につながるので、クリップを奥にとって立ち上がり重視のラインで、アクセルを早めに開けていきます。

最終コーナー手前で切り返し、右に倒しこんでストレートに出てきますが、出てくるところで4速にシフトアップ。バンク中のシフトアップになるので、早めにシフトアップしたくなりますが、早すぎると、4速での加速が鈍くなってストレートスピードに影響が出てきます。ヘアピン立ち上がりからストレートエンドまではアクセル全開です。他のラップのログと比較すると一番走行距離のばらつきの大きなセクションがこの最終セクションでした。このラップの1周の走行距離は1004mで、長い距離を走ってしまっていました。最後まで気を抜かずに最短距離を走ることが大切です。