今回開発したデトネーションカウンタの主な機能を紹介します。
= センサー感度、レベル設定の調整機能 =
HRCのデトネーションカウンタはレーサーのRSにあわせて作られていますので、ついているボタンはカウンタのクリアボタンひとつだけのシンプルな構造です。ところが、今回開発しようとしているデトカンではエンジンの種類によって、あるいはチューニングの違いによって出方の異なるデトネーションを検出する必要があります。そこで、センサーの感度調整機能や、デトネーションをカウントするときのしきい値レベルの調整機能を入れることにしました。これらの設定を変えることで、水冷エンジンのみならず、空冷エンジンも含めた対応が可能になります。ただし逆に言うと、設定が適切でないと正しくデトネーションの検出ができないということにもなりますので、使う側から見ると少し面倒な部分もあります。エンジンのチューニングが許されないようなカテゴリーであれば、設定値はひとつに決まってくるはずなので、基本的な設定値は順次公開していく予定です。
= LEDフラッシャによるデトネーション発生通知機能 =
LEDフラッシャとは、LEDを使ったランプのことで、これをハンドルやメーター周りなど見やすいところに取り付けておいて、デトネーションが発生したときに光らせることでドライバーに知らせる機能です。2色のLED(赤、緑)で、うまくレベル設定をすることで、小さなデトネーションの発生の場合は緑、大きなデトネーションの時は赤が光るといった使い分けができます。
= デトネーション圧力の平均値と最大値を記録 =
これまでのデトカンはデトネーションの発生は検出できても、その圧力の大きさまでは知ることができませんでした。そこで、検出されたデトネーション圧力の平均値(AVRG)と最大値(PEAK)を記録できるようにしています。カウント値とあわせてこれらの値を見ることで、例えば200回カウントが出たけど圧力レベルは低いので問題ないとか、逆に50回しかカウントしていないけど圧力レベルが高いので要注意といった判断の材料として使うことができます。
= ロガーへのデータ出力機能 =
最近ではロガーを使って走行の様子やエンジンの状態を記録し、走行後に分析を行うという手法が当たり前になってきました。ロガーにデトネーションの情報も記録することで、デトネーションがコースのどこで起きているのか、どんなアクセルワークのときにおきやすいのかといった情報を知ることができます。デトカンからの出力はデトネーション圧力の大きさに比例した0-5Vのアナログ値が出力されるので、キャブセットや路面などの状態変化に伴うデトネーションの発生状況の変化を知ることができます。
2010-09-24 21:35